銀行員の多くは、就業規則でFX取引が禁止されています。一方で、投資信託や外貨預金などの運用は認められているケースが多いようです。なぜFXは禁止されているのでしょうか。
本記事では、銀行員のFX禁止の理由と、銀行員におすすめの投資について解説します。
銀行員はなぜFXが禁止されているのか
銀行員にFXが禁止されている理由は以下の通りです。
- インサイダー取引の防止
- 不正防止と業務への影響回避
それぞれ解説します。
加えて、銀行員がFX取引したらバレるのかについても解説します。
インサイダー取引の防止
金融機関の従業員は、株式取引においてインサイダー取引規制の対象となります。しかし、為替市場では個人の取引が市場に与える影響は限定的であり、インサイダー取引のリスクは低いと考えられます。つまり、インサイダー取引防止だけがFX禁止の理由ではないようです。
不正防止と業務への影響回避
2014年には、銀行員が顧客の資金を横領し、FXで多額の損失を出す事件がありました。銀行員がFXで大きな損失を出した場合、顧客資金を不正に使用するリスクがあります。また、投機的な取引は業務に支障をきたす可能性もあります。こうした理由から、多くの銀行ではFX取引を禁止しているのです。
銀行員がFX取引したらバレるのか
金融機関の従業員は、金融庁に提出する書類で管理されています。そのため、FX業者に勤務先を届け出ると、金融庁を通じて銀行にバレる可能性があります。FXが禁止されている銀行に転職する際は、既存のFX口座を凍結または廃止する必要があるでしょう。
銀行員におすすめの投資
銀行員におすすめの投資は以下の通りです。
- 投資信託
- ETF(上場投資信託)
- 外貨預金
それぞれ解説します。
投資信託
多くの銀行では、投資信託への投資を推奨しています。投資信託は長期の資産運用と位置づけられ、ファンドマネージャーが運用するため、FXのような直接的な売買とは異なります。また、銀行としても手数料収入が期待でき、従業員の資産状況も把握できるメリットがあります。
ETF(上場投資信託)
投資信託と同様に、ETFへの投資も多くの銀行員に人気です。個別企業への投資ではないため、インサイダー取引のリスクは低いと考えられます。特にインデックス型のETFは、リスクが比較的低く、長期の資産形成に適しています。
外貨預金
銀行員に人気の投資方法の一つです。外貨預金は、外国通貨建ての預金のことを指します。為替レートの変動によっては、為替差益を得ることができます。外貨預金は、長期的な資産運用の一環として認められているケースが多いようです。為替リスクはありますが、FXのようなレバレッジは効かないため、リスクは限定的だと考えられています。
銀行員が投資を行う際の注意点
銀行員が投資を行う際は、以下のような点に注意が必要です。
- 勤務先の規則を確認する
- インサイダー取引規制に注意する
- 損失を出さない程度の資金で投資する
- 長期的な視点で投資する
それぞれ解説します。
勤務先の規則を確認する
まず、勤務先の規則を確認することが大切です。銀行員に許容される投資の範囲は、銀行によって異なります。自身の勤務先でどのような投資が認められているのか、就業規則や社内規程を確認しておきましょう。もし、規則に違反した投資を行えば、懲戒処分の対象となる可能性があるので注意しましょう。
インサイダー取引規制に注意する
銀行員は、業務上知り得た重要な非公開情報を利用して株式などの取引を行ってはいけません。たとえ、その情報を利用するつもりがなくても、インサイダー取引と疑われるような取引は避けるべきです。特に、自身の勤務先や取引先の企業の株式取引には注意が必要です。
損失を出さない程度の資金で投資する
また、損失を出さない程度の資金で投資することが大切です。投資は、あくまでも余剰資金で行うべきものです。生活資金や貯蓄資金を投資に充てるのは避けましょう。特に、FXのようなハイリスクな投資は、たとえ銀行員でなくても、損失を出さない程度の資金で行うことが重要です。
長期的な視点で投資する
投資は、一朝一夕に大きな利益を上げられるものではありません。株式や投資信託などは、長期的に保有することで、安定的な利益を得ることができます。一方、短期的な売買を繰り返すと、取引コストがかさみ、かえって損失を拡大させてしまうこともあります。
まとめ
本記事では銀行員がなぜFXを禁止されているかについて解説しました。
銀行員はFX取引を禁止されているケースが多いですが、その理由はインサイダー取引防止だけでなく、不正防止や業務への影響回避といった理由もあります。
一方で、投資信託やETF、外貨預金などは許可されている場合があります。投資の際は、自身の勤務先の規則を確認し、許容される範囲内で行いましょう。