「フィボナッチリトレースメントのラインはどうやって引いたらいい?」「フィボナッチリトレースメントの使い方がわからない」といった疑問を抱いている方も多いでしょう。
本記事ではフィボナッチ分析の基本からラインの正しい引き方までを解説します。
フィボナッチリトレースメントとは

フィボナッチリトレースメントとは、フィボナッチ比率(黄金比率)を利用して、相場における押し目や戻り目のポイントを判断するテクニカル指標のことです。
相場が上昇中であっても、価格は一時的に落ちることもあり、そのことを押し目といいます。反対に、下落中の相場で一時的に価格が上昇することを戻りといいます。トレンドは押し目や戻り目を繰り返しながら形成されます。
そして、この押し目や戻りがトレンドの転換点となるかどうかを分析するのに有用なのがフィボナッチリトレースメントです。
フィボナッチ数列と黄金比
フィボナッチ数列とは、0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13…のように、前の2つの数の和が次の数になるという特徴を持つ数列のことです。この数列の隣り合う数字の比率は、黄金比と呼ばれる1:1.618に近づいていきます。この比率は、自然界や芸術作品、建築物などにも多く見られ、人類が美しいと感じる比率とされています。
さらに黄金比は、自然界でも確認されています。生物のDNAが持つ二重螺旋構造や、ひまわりの種の並び方や台風の渦巻きにもこの比率が見られます。国旗や名刺、クレジットカードといったものも黄金比率を用いて作られています。
そして、この黄金比率をFXの分析に応用したものがフィボナッチリトレースメントです。
フィボナッチリトレースメントの見方
フィボナッチリトレースメントは相場におけるトレンド形成中に使われます。
トレンド形成中であってもFXチャートは常に上がり続けたり、下がり続けたりするようなことはありません。細かい上昇と下降を繰り返して進み、トレンドは形成されます。
前述した通り、トレンドに対しての一時的な反発を、それぞれ押し目、戻り目といいます。
そして、フィボナッチリトレースメントを見ることで、相場に反発した押し目買いや戻り売りのポイントをを予測することができます。
フィボナッチリトレースメントの引き方

フィボナッチリトレースメントのラインは、上昇トレンドと下降トレンドの2種類の引き方があります。
相場が上昇トレンドの場合

上昇トレンドの場合は、チャート上で最近の安値から高値へのラインを引きます。この時、FX取引ツールのフィボナッチ描画機能を使うと、自動的に黄金比率に基づいたラインが表示されます。安値が100%、高値が0%となるようにラインが引かれます。
相場が下降トレンドの場合

下降トレンドの場合は、最近の高値から安値へのラインを引きます。この時も同様に、高値が100%、安値が0%となるようにフィボナッチラインが表示されます。
相場の動向に合わせて、高値や安値が更新された場合は、適宜ラインを引き直すことが大切です。これにより、最新の相場状況に対応したフィボナッチリトレースメントを活用することができます。
また、正確なラインを引くためにチャートの時間軸を調整したり、ズームイン・ズームアウトを行ったりすることも有効です。ラインを引く際は、心理的な節目となりやすい価格帯を意識することも重要です。
フィボナッチリトレースメントの使い方
フィボナッチリトレースメントを表示すると、黄金比率に基づいた複数のラインが引かれます。その中でも、23.6%、38.2%、61.8%のラインは特に重要視されています。これらのラインは、相場の転換点となる可能性が高いとされ、サポートラインやレジスタンスラインとして機能することが多いです。
フィボナッチリトレースメントの使い方は以下の通りです。
- 押し目を予測する
- 戻りを予測する
それぞれについて解説します。
押し目を予測する
上昇トレンド中に発生する押し目は、一時的な価格の調整と捉えることができます。この押し目を予測することで、買いのチャンスを分析できます。フィボナッチリトレースメントの23.6%、38.2%、61.8%のラインは、価格が反発する可能性が高いとされ、押し目の位置を予測する上で重要なポイントです。
つまり、上昇トレンド中に価格がこれらのラインまで下落したら、買いのチャンスと考えることができます。特に、23.6%や38.2%のラインは、比較的浅い押し目として機能することが多く、61.8%のラインは、より深い押し目として機能することが多いです。
ただし、単にラインに触れただけで買いエントリーするのは危険です。その後の価格の反応までを確認することが大切です。ローソク足がラインで反発している様子や、ラインを割り込んだ後に再度ラインを上抜けるような動きがあれば、買いのサインとみなすことができます。
また、他のテクニカル指標と組み合わせることで、より精度の高い予測になります。例えば、RSIがオーバーソールドの領域から上昇に転じた時点でフィボナッチラインからの反発が確認できれば、買いシグナルの信頼性が高まります。
一方でリスク管理の観点からは、ラインを割り込んだ位置にストップロスを設定することが有効です。これにより、万一予測が外れた場合でも、損失を最小限に抑えることができます。
フィボナッチリトレースメントを活用した押し目予測は、上昇トレンドを捉えるための有効な手法ですが、相場の流れを読み、適切なリスク管理を行うことも重要です。
戻りを予測する
下降トレンド中に発生する戻りは、上昇トレンド中の押し目とは逆の動きを示します。価格が一時的に上昇するものの、再度下降トレンドに戻ることが予想されます。フィボナッチリトレースメントを活用することで、この戻りの位置を予測し、売りのチャンスを分析できます。
下降トレンドにおいては、23.6%、38.2%、61.8%のフィボナッチラインが、戻りの目安となります。価格がこれらのラインまで上昇した場合、売りのチャンスととらえることができます。特に、61.8%のラインは、戻りの上値ポイントとして機能することが多いです。
ただし、押し目予測の場合と同様に、単にラインに到達したからといって即座に売りエントリーするのは避けましょう。価格がラインを突き抜けて上昇する可能性もあるためです。戻りの頂点を確認し、価格がラインを割り込んだ時点で売りエントリーしましょう。
また、こちらも同じように他の指標と併用することがおすすめです。例えば、ストキャスティクスがオーバーボート領域から下降に転じ、フィボナッチラインからの反落が確認できれば、売りの根拠が強まります。
一方でリスク管理としては、ラインを上抜けた位置にストップロスを設定するのが効果的です。これにより、トレンドが想定外の方向に転換した場合でも、リスクを限定することができます。
フィボナッチリトレースメントの注意点
フィボナッチリトレースメントの注意点は以下の通りです。
- ほかの指標と組み合わせる
- リスク管理を怠らない
- トレーダーの心理を分析する
それぞれについて解説します。
他の指標と組み合わせる
フィボナッチリトレースメントに関わらず、ほかのテクニカル分析でも同様ですが、その指標のみで分析するよりも、他のテクニカル指標を組み合わせることで、より高い精度で市場を分析することができます。
例えば、フィボナッチリトレースメントを使って表示したラインとほかのテクニカル指標をつかって引いたラインが被った際に、より信頼できるラインとしてその水準を見ることができます。
リスク管理を怠らない
フィボナッチは必ず当たるとは限らないため、信用しすぎてはいけません。そのため、常にリスク管理は徹底しましょう。リスクリワードについてはこちらの記事を参考にしてください。
トレーダーの心理を分析する
フィボナッチリトレースメントが機能するのは、多くのトレーダーが同じようにこの指標を使って相場を分析しているからです。つまり、フィボナッチの各ラインは、トレーダーの心理的な節目としても機能しているということです。
例えば、上昇トレンドの中で価格が38.2%のラインまで下落した場合、多くのトレーダーがこのラインを買いのポイントと捉えます。そのため、実際にこのライン付近で買いが入り、価格が反発する可能性が高くなります。
逆に、下降トレンドの中で価格が61.8%のラインまで戻った場合、多くのトレーダーがこのラインを売りのポイントと捉えます。その結果、このライン付近で売りが入り、価格が再度下落に転じる可能性が高くなります。
このように、フィボナッチリトレースメントを使う際は、他のトレーダーの心理を分析することが重要です。単に機械的にラインを引くのではなく、そのラインがどのような心理的な意味を持つのかを考えましょう。
また、相場の流れや値動きを注意深く観察することも大切です。例えば、フィボナッチラインを突き抜けるような強い動きがある場合、トレーダーの心理が変化している可能性があります。こうした相場の変化を読み取ることで、より効果的なトレード戦略を立てることができます。
フィボナッチ数列を用いた他の指標
フィボナッチ数列を用いた他のテクニカル指標も存在します。
いくつかありますが、ここでは以下の2つについて解説します。
- フィボナッチファン
- フィボナッチアーク
フィボナッチファン

フィボナッチファンは、トレンドの強さを測る指標です。上昇トレンドの場合、安値から高値にかけてトレンドラインを引き、そのラインから38.2%、50.0%、61.8%の角度でラインを引きます。これらのラインは、それぞれ上昇トレンドの強弱を示すサポートラインとして機能します。
価格が38.2%のラインを割り込んだ場合、上昇トレンドの勢いが弱まっていると判断できます。逆に、価格が61.8%のラインを上回っている場合、上昇トレンドが強いと判断できます。
フィボナッチアーク
フィボナッチアークは、価格の変動幅から将来の価格の動きを予測する指標です。直近の安値と高値を結ぶトレンドラインを引き、その中心点から23.6%、38.2%、50.0%、61.8%の半径で円弧を描きます。これらの円弧は、価格の節目として機能します。
上昇トレンドの場合、価格が23.6%の円弧に到達した時点で、一時的な調整が入る可能性があります。逆に、価格が61.8%の円弧を超えた場合、上昇トレンドが加速すると予想されます。
フィボナッチアークはとても便利な指標ですが、マイナーなテクニカル指標でもあるので、頼りすぎないように注意しましょう。相場はトレーダーの意識が反映されるので、多くのトレーダーが意識する他の指標と合わせて分析を行いましょう。
フィボナッチアークはフィボナッチリトレースメントと組み合わせて使うのがおすすめです。それぞれのラインが交わるポイントに注目して、反発が起こったらエントリーするようにしましょう。
フィボナッチエクスパンションとの違い

フィボナッチエクスパンションはフィボナッチリトレースメントを応用した指標です。ここではフィボナッチエクスパンションの特徴や、チャート上での使い方を解説します。
フィボナッチエクスパンションとは
フィボナッチエクスパンションとは、押し目や戻りが発生した後に、相場がどこまで動くのかを探るテクニカル指標です。
トレンドの拡張性がどの程度なのかわかることで、トレードにおいて、最も難しいとされる利確するタイミングを判断するのに役立ちます。
フィボナッチリトレースメントとの共通点
フィボナッチエクスパンションとフィボナッチリトレースメントは、ともにフィボナッチ比率(黄金比率)を元に作られたテクニカル指標であるという共通点があります。
上でも一部解説しましたが、フィボナッチ比率を使ったテクニカル指標は以下のようなものが挙げられます。
- フィボナッチリトレースメント
- フィボナッチファン
- フィボナッチアーク
- フィボナッチエキスパンション
- フィボナッチタイムゾーン
- フィボナッチピボット
このように様々な種類がありますが、フィボナッチは時間軸よりも価格に対する分析の方が効果的だと言われています。
まとめ
ここまでフィボナッチリトレースメントについて解説しました。
フィボナッチリトレースメントとは、フィボナッチ数列から導出された黄金比率を元に、自然界で当てはまる法則を相場分析に利用したテクニカル指標のひとつです。
フィボナッチリトレースメントを上手に使うことができれば、トレンド中の押し目や戻りの予測ができるようになるため、利益に繋がります。今までフィボナッチリトレースメントを使っていなかった方は、本記事を参考に相場分析に役立てください。
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